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北朝鮮 ミサイル論議が盛んだが、的外れも多いね

この一週間、ワールドカップは吹っ飛んで、すっかりミサイル一色になった。メディアには北朝鮮通や、軍事評論家、さらに多くの素人評論家が、あれこれ解説してくれた。情報が少ない中で、何かしゃべれ、それも断言調でといわれても、なかなか大変だと思うが、そうしないと二度とお声がかからない。分からないのに、もっともらしく語るからよけい視聴者も混乱する。

まず、テポドン2について、アメリカ側は早々と失敗と結論付けたが、日本側には意図的に、日本海に落としたとうがった見方をした解説者が何人もいた。おそらく、最初に誰かがその可能性を示唆し、「おっ、これはなかなかプロっぽい考えだ」と自説に組み入れたのだろう。しかし、本格的ICBMとなるテポドン2の、初めての打ち上げ実験でそんなことをやる余裕があると思うのかね。あんまり、意味のない邪推でしかない。

「単なる訓練に、日本だけが騒いでいる」と分かったようなことを唱える輩もいた。日本を想定したミサイル発射に対して、日本が怒らなくて誰が怒るのか?このミサイルは、日米を意識してのものだというのはその通りだ。しかし、そのメッセージは同じではない。アメリカに対してはラブコールだったかもしれないが、反撃力のない日本に対しては明らかな恫喝である。日米同盟への牽制でもあった。こうした軍事的デモンストレーションは、砲艦外交といわれた時代から、それ自体が強烈な政治的メッセージを含んでおり、これに対して明確な姿勢を示す必要があるのは当たり前のことだ。

この最中に、キム・ヨンナム氏との日本メディア会見があったというのも不思議な気がした。ほとんど、軍と外交部とは関係なく行動している。これでは、外交交渉も難しいはずだ。会見をセットされ、呼ばれたから出かけていったメディアは、同日のミサイル打ち上げに驚いたはずだ。逆に、北朝鮮政府関係者への取材の絶好の機会を得たはずなのだが、拉致以外のネタはほとんどなかった。結果として甘い取材と批判されてもしかたがないだろう。

これまで、国益をはるかに上回ったニュースバリューをもって報道されてきた拉致問題がようやく、後ろに下がり、核とミサイルが全面的に出てきたこと。そして、これを日本人が再認識したことが、今回のミサイル発射の最大の効果だったかもしれない。このブログでも、たびたび指摘したが、北朝鮮問題は1にも2にも核問題。そして、その運搬手段であるミサイルの問題。キム・ジョンイルもまさか、「拉致」でここまで引っ張られるとは思わなかっただろう。これは、拉致問題を全面的にエスカレーションさせるという家族会やそれを政治利用した勢力にとっては大成功だったといえる。

しかし、北朝鮮の核の最大の利害関係国は日本であるのに、その日本が核問題を真剣に考えないという奇妙な状況が生まれる。今回のミサイル発射では、アメリカなどは、北朝鮮の核やミサイル技術が第3国へ流出することに大きな懸念を持つがゆえに、北への強い国連安保理非難決議を求めている。日本メディアの「核より拉致」という姿勢は、自国のみならず世界の安全にもネガティブな影響をもたらしてきた。昨日も、「拉致、拉致」と叫んだ後で、「ミサイルを打ち込まれたらどう対処するんですか?」と防衛庁長官にくってかかっていた売れっ子キャスターがいたね。

さて、明日の決議のいかんにかかわらず、六カ国協議に戻るしかないが、もう同じことばかりやってもいられない。朝鮮半島の非核化を前提とした南北統一をどう実現していくのか、そのコスト負担についても話し合うべきだろうね。この問題こそ日本と中国があらゆる懸念を含めて、大国として論議すべきイシューなはずだ。

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by citywatch | 2006-07-09 16:03 | トピックス/時事評論