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エレベーター事故 広報不在のシンドラー・ジャパン

事故の衝撃もさることながら、エレベーターで世界2位、エスカレーターで世界1位の設置実績にしては、シンドラー・ジャパンのあまりにもお粗末な広報・報道対応ぶりにも驚いた。明らかに、日本法人には、コミュニケーション権限を持つ責任者が不在で、スイスの本社が対外広報をコントロールしている。日本では一切しゃべるなという指令が下っているのだろう。一方で、弁護士とは、同社の責任問題について、綿密な打ち合わせをやっているはずだ。しかし、日本では死亡事故を起こした企業はいかなる理由があれ、まずお詫びをしなければ始まらない社会文化の土地柄だ。すでに、事故そのものよりも、その後の守り一辺倒、責任逃れ的な姿勢で、シンドラーのブランドは地に落ちてしまった。

しかも、同社は、地方自治体などの入札で実績を上げているという。社会的な批判は、きわめて深刻なダメージを及ぼすことが確実だ。事故直後の広報対応で同社は致命的誤りを犯したといわざるを得ない。おそらく、その原因は、日本の代表者の本社におけるポジションが低く、この事故についての対応権限がないのだろう。法的な責任問題が拡大することを避けるために、本社と本社の弁護士、東京の弁護士との間での協議が優先されて、沈黙せよとのお達しになった。日本代表にもっと権限があったら、日本での慣行にそった対応をとるよう本社を説得できたはずだが、そうではなかった。まあ、日本市場が大して重視されていなかったということだ。

シンドラーが、今後とも、日本市場で営業を続けるためには、地に落ちたブランドをリカバリーするために大変な努力が必要になる。事故や危機対応のときにとかく弁護士は、「余計なことは話さないほうがいい。話したことで、責任問題が生じる可能性がある」などと通り一辺で、実は自分たちの責任回避となるアドバイスを行なうのが普通だ。もちろん、そのあと、事業や会社経営がどうなるかは関係ない。この、リーガルアドバイスを真に受けて、意味不明の会見を行なって、逆に世論や市場の反発を受けて、経営破綻に陥るケースも少なくない。危機管理でも、最終判断をすべきは、法律家ではなく経営者だということを再認識すべきだ。もっとも、今回のように、日本に重要なを判断できる人間が配置されていなければ、それまでだが。

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by citywatch | 2006-06-09 18:31 | トピックス/時事評論