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倒錯した農業保護論議

TPP参加を巡って、恒例の農業保護論だ。論理なき出鱈目な農業保護論が、かれこれ50年も続いている。米の自由化騒動からも20年。全く進歩がない。

倒錯の極みが、食糧自給率論。農水省公認のカロリーベース自給率。日本の自給率は世界最低レベルにありこれ以上下げる訳にはいかない。農産物自由化を阻止すべしという。しかし、複雑な計算方式などしなくてもカロリーベース自給率の本質はわかる。各国の農地面積と人口を比較すればよい。今時、単位当たり収穫量は、同じものを作っていれば、どこもそれほど変わらない。

要するに、日本のカロリー当たり自給率が低いのは、狭い島国、山がちで農地に適した土地がない、一方で人口規模は大きいという、日本列島数千年来の自明の真理を言い換えただけだ。この自給率を上げたければ、人口を減らすか、食う量(カロリー摂取)を減らすしかない。一方、限られた農地で生産性を上げることは、日本の農業関係者がもっともやりたくないことだろう。(もっとも収穫量でなく金額でいけば、日本のコメの生産性はずば抜けて高いかもしれない)

まともなロジックでは、何ともならないから、すぐに文化論、環境、雇用の話にすり替える。これを馬鹿な雷同者が追随する。しかし、誰もが認識すべき事実は、日本の農業は日本の製造業が支えているということだ。保護論者は農家、農家というが、本当の農家はこのうち一割もいるかどうか。一般的な米農家など全収入のどれだけが米によるものか。円高などで、近くの工場ななくなれば一家の収入の大部分が喪失する。

ところで、カロリーベース自給率のアップに畜産は貢献していない。主たるエサが輸入だからだ。国産の肉も、卵も輸入飼料がなければ成立しない。もっと言えば、肥料も農薬も原材料は輸入。バーチャルな農業論は亡国の選択でしかない。

農村出身政治家の過剰代表もあって、日本ほど農業政策にカネを使ってきた国はない。それにも拘わらず農家一戸当たり面積すなわち収入は先進国の最低だろう。結果的にもいわゆる日本の農政ほどの愚策は世界の歴史でも稀有じゃないか。農水省の功罪はあまりにも明白。解体どころじゃない。
by citywatch | 2011-10-12 08:12 | トピックス/時事評論