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政府・外務省 誰のための隠蔽体質?

先日来、沖縄返還交渉における「密約」の存在がクローズアップされている。アメリカでこれを示す公文書が見つかったのが、2000年5月。今回は、交渉で日本側の陣頭指揮をとった外務省の吉野アメリカ局長(当時)がその存在を認めた点で画期的だ。

沖縄返還については、これまでにも、早期決着を図りたい佐藤内閣、繊維交渉や資金協力での譲歩を求める米側、また、核抜き本土並みを求める国内世論への配慮などからさまざまな密約について論じられてきた経緯がある。日本政府、外務省は当然のことながら、一貫してその存在を否定し続けてきたが、状況証拠的には、その存在が濃厚との見方も強かった。

吉野局長本人が背景を含め、詳細を語ったことで、政府・外務省の説明はほとんど論理的に破綻状態となり、予算委員会の答弁でも、説明にならない説明、話のすり替えで対応しているのが哀れだった。しかし、この期に及んで、何のために、誰のために、ミエミエの「密約」の存在を否定するのか?まさか、国益のためというのだろうか?

密約はあったが、それは、沖縄返還という国民の最大の願いを実現するためだったということで、いいはずなのだが。100点をとろうとして、都合の悪いものはすべて隠そうとする役人体質なのか。しかし、残念ながら外交交渉には相手もある。国内的な手法が通しないのは皮肉なことだ。その結果、日本政府の政策決定を調べるために、アメリカ公文書館にでかけることになる。それにしても、政府や外務省は国民すなわち主権者が、未来永劫に真実を知らされなくてもいいと考えているのだろうか?

先月は、金大中事件で、韓国側の公文書が公開され、韓国にも情報開示で遅れをとることになった。外交的密約であろうと機密であろうと、どの道ばれる。それなら、公開ルールを決めて、順次公開していくのが成熟した民主社会の要請だろう。この点、日本政府は、情報公開に対し、あまりにも後ろ向きなことで、かえって、墓穴を掘っている。こんなことで、歴史認識で韓国や中国に、自信を持って渡り合っていけるのか?

今の時代、無期限の機密、完全な秘密など存在しないと考えて対応するのが本道だ。死ぬまで墓場に持っていくというが、長生きすれば、ぼけて何を口走るかも分からないし、秘密文書をどこに隠したかも分からなくなる。隠し通そうとするから、対応が遅れ、選択の範囲が狭くなって、国益を損なう。

日本の外務省が、情報開示で、他国に先を越され、理屈にならない堂々めぐりをしている間に、世界に対する情報発信能力、信憑性でも劣勢に立たされている。他人、あるいは他国にもかかわる情報は、早く出したものがイニシアティブをとることができるのが鉄則。後発組は、それ以上の情報を出さないと挽回できないのに、その存在を否定するからますます窮地に陥る。

核兵器もなく国連常任理事国入りを狙う日本だが、情報戦でこんな体たらくでは何も期待できない。もう一度、何のため、誰のための隠蔽なのかを真剣に自問するべきだろう。

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by citywatch | 2006-03-10 19:46 | トピックス/時事評論